三蔵、「どうした、騒々しい」
三蔵、「お連れだぁ?好きで連れてる訳じゃねェ…!」
三蔵、「オイ悟空!」
三蔵、「食ったら行くぞ!」
三蔵、「このバカ猿が!!」
三蔵、「何じゃねェ!さっさと着替えてこい!!四の五の言うんなら置いてくぞ!」
三蔵、「ん?」
三蔵、「陰口なら聞えないように吐くんだな、何を拾おうが捨てようが俺の勝手だ」
三蔵、「うるさい!死にたいか…!」
三蔵、「ふん、何故拾って来たかだと?そんなの俺が聞きてぇよ。」
【回想】
三蔵、「オイ、俺の事ずっと呼んでたのはお前か?」
三蔵、「ウソだな、俺にはずっと聞えてたぜ?うるせぇんだよ、いい加減にしろ」
三蔵、「来い、連れてってやるよ、仕方ねェから」
【終わり】
三蔵、「ん?」
三蔵、「それ以上騒ぐとぶっ殺すぞ」
三蔵、「八戒と悟浄に会う。それから…」
三蔵、「…」
三蔵、「やかましいわ!!」
三蔵、「もう少しで付くだろ!歩けバカ猿!!」
三蔵、「たぁく、普段は殺しても死なねェくせに…」
三蔵、「威張んな」
三蔵、「うるせぇなサッサと歩け!!」
三蔵、「ん…」
三蔵、「確かめたい事があるんだ」
三蔵、「昨日、俺は長安、斜陽殿の三仏神に呼び出された…」
三蔵、「北方天帝師、玄奘三蔵、参上いたしました」
三蔵、「ハッ」
三蔵、「いえ」
三蔵、「如何にも…今や人間は、妖怪に怯えながら、死と隣り合わせの恐怖の中で日々を生きております。桃源郷とは名ばかり、さながら地獄絵図の様。一体、何が元凶にあるのでしょう」
三蔵、「!…牛魔王!!」
三蔵、「牛魔王…人との共存を拒み、欲望のままに人を喰らったと言う、あの大妖怪で御座いますか」
三蔵、「しかし牛魔王は、はるか500年の昔、闘神那托太子により、西域の天竺国、吠登城に葬られたと聞き及んでおります」
三蔵、「ん!?」
三蔵、「何が起こるか分からないからだ…」
三蔵、「それが此度の、妖怪達の凶暴化の原因であると言うのですか?」
三蔵、「御意」
三蔵、「はぁ…お前ねェ…」
三蔵、「あのなぁ」
三蔵、「それは…ん?」
三蔵、「遅いな」
三蔵、「動くな」
三蔵、「バカはお前だ、これは只の拳銃じゃ無い…妖怪退治用のショウレイ銃だ」
三蔵、「死ね」
三蔵、「あの世で…修業し直してくる事だな」
三蔵、「牛魔王に寝返った妖怪どもだ」
三蔵、「ちっ、油断したな」
三蔵、「ん」
三蔵、「何故ここが分かった」
三蔵、「三仏神様、一つだけお聞きしたい事がございます」
三蔵、「何故妖怪である、あの三人を御任命なされたのですか?」
三蔵、「確かに彼らの実力は認めます。しかしその体内にアヤカシの血が流れる限り、いつ何時、その血が勝り、我々に牙をむくやも知れません。そのような輩を信頼する事は自殺行為と思われます」
三蔵、「観世音菩薩…!」
三蔵、「…恐れ多くも、私がこの世で信じられるのは己のみで御座います…かけがえの無いモノを失くしたあの時から…それは変わっておりません…!」
三蔵、「心の、目?」
三蔵、「信じるべきモノ、か…」
三蔵、「己が目を信じよう、か…悟空」
三蔵、「ゴジョウ」
三蔵、「八戒」
三蔵、「行こう…西だ!!」