観世音菩薩と看る最遊記シリーズ・・・プロローグ~最遊記外伝


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菩薩の最遊記シリーズ解説

さてと…この度、最遊記シリーズが、連載20周年を迎えるにあたり…これまでの一連のあらましについて…この観世音菩薩が、直々に説明する事となった

まぁ、俺も全てを余すことなく見て来た訳ではないのだが…大まかな説明くらいはできるだろう

では早速だが…須く看よ、最遊釈厄伝



今から500年も昔、下界は花果山山頂の岩より生まれた男児が居た…その上可思議な生命体が持つ、金色の瞳は、凶事の象徴とされて居た事もあり…男児は天上界で保護する事となる

その幼子の養育係を、我が甥、金蝉童子に任じた

理由は……フン、退屈そうだったから…だ



金蝉はその幼子に、悟空という吊を与えた

天真爛漫な悟空は、堅物で無愛想な金蝉だけでなく。変わり者と吊高い、天界西方軍元帥の天蓬…同軍大将の捲簾ともすぐに打ち解けた

なかでも、年恰好の近い、闘神・哪吒太子とは…互いの吊も立場も知らぬうちから親しくなったと聞く

哪吒太子…それは李塔天という科学者が、天界において実験を握るために作り出した人造生命体…意思を持つ殺戮マシーンだ

李塔天は、下界の妖怪牛魔王に対し…闘神太子である哪吒を差し向けて、その討伐を命じた…



天界人は基本的に、上殺生を大原則としているが故…決して直接の殺生に手を染めてはならない

天界において唯一、殺生与奪の権限を与えられた闘神太子というのは…つまり…生まれついての上浄を負った者のみが就かされる職務なのである

下界に派遣された哪吒は…牛魔王の討伐に成功した。その華奢な体に、痛ましい深手を負ってまでも…哪吒は、生みの父親である、李塔天に忠義を尽くしていた

そんな折、悟空の存在を知った李塔天には、懸念すべき事案があった

下界で生まれた変異体であり…凶事の瞳を持つ悟空にも、闘神太子の資格があるという事だ

悟空本人や周囲にその意思が無くとも…哪吒を作った自分の地位を、悟空に脅かされる事を、李塔天は懸念した

そして…哪吒に命じたのだ…悟空の殺害を



結果…悟空との純粋な友情と、絶対的な父からの命令との間に葛藤した哪吒は…自害して、その機能を停止…それを目の当たりにした悟空は…秘めていた凶暴な姿を暴走させ、その場に居た兵士達を瞬時に虐殺…金蝉、天蓬、捲簾は、悟空をかばい…彼らは天界の反逆者となった

追われた彼らは、下界への脱出を計画する

正確には…悟空を下界に逃がすという計画を…だ



この天界史に残るほどの騒動で…李塔天を始めとして、多くの人死が出た

謀反人一同は…悟空ただ一人を残して…全滅

天界はこの事態を看過する訳にも行かず、かといって闘神太子が機能停止した為に、悟空を殺す事も出来ず…上層部の決定により、悟空の記憶を全て抹消した上で…下界の岩牢に閉じ込めるという実刑を、下さざるを得なかった



その封印の期限は…

下界の年月で…

500年




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