菩薩、「不変なモノなんざ下らんさ…退屈なだけだろう?」
金蝉、「保護者じゃねぇよ…飼い主だ」
金蝉、「邪魔したな、つれて帰る」
金蝉、「オイ猿勝手にウロウロすんじゃ―――」
金蝉、「動物が二匹…か」
金蝉、「宴がある。天帝の聖誕祭だ」
金蝉、「祭りったって夜店は出ねぇぞ?お前は、ここで大人しく待って―――」
金蝉、「ふっ…勝手にしろ」
金蝉、「なんだようるせぇぞ猿!」
金蝉、「いいじゃねぇか。今度会ったときに教えれば…ダチなんだろ?」
金蝉、「ここでは、一番盛大な祭りだからな。うろつくと迷うぞ―――って言ってるそばから離れんじゃねぇ!!」
菩薩、「(大あくび)ふあっあぁー…」
二郎神、「観世音菩薩!露骨過ぎますぞ!」
菩薩、「だって退屈なんだもんよぉ!なんであんなヒヒジジイのお誕生日会に出なきゃなんないんだよぉ!」
菩薩、「大体、この宴自体、いかに天界人が自分に忠誠を誓ってるかを再認識したいだけだろう?」
菩薩、「欠席不可の分際で笑わせやがる…あ、でもま♪今年は」
二郎神、「は?」
菩薩、「面白い出し物が拝めそうかもなぁ…ふふふ」
金蝉、「悟空、天帝の口上の間は、静かに―――」
金蝉、「あのバカ猿、どこに行きやがった」
菩薩、「ふっふふふ!な?二郎神。楽しい余興だろう?」
二郎神、「天帝が哀れでなりませんなぁ」
菩薩、「ま、良いんじゃねぇの?火事と喧嘩は江戸の華ってな」
二郎神、「どこですか?江戸って」
金蝉、「悟空!悟空!!何やってんだ!テメェ!」
金蝉、「こんのバカ猿!!離れるなっつっただろうが!!」
金蝉、「触るな!…誰だお前」
金蝉、「倦廉大将…か」
金蝉、「いや?」
金蝉、「彼らは私の連れだ、騒ぎの責任を取り、退席させていただく」
金蝉、「行くぞ」
金蝉、「ふっ、サボる口実が出来ただけだ」
菩薩、「ふふふふ…お似合いの面子が揃ったじゃないか、金蝉。せいぜい大事にしろよ?これからお前達が…強い運命の糸に結ばれていくんだからな」