子供、「やーだやだ!もう行くんだもーん!!やだやだ!月の石見るんだー!!」
母親、「しょうがないでしょ!あの行列じゃ…」
しんのすけ、「…何ここ?」
みさえ、「万博」
しんのすけ、「バンパク?」
みさえ、「(朗読)1970年、大阪で日本万国博覧会EXPO'70が開催された、人類の進歩と調和をテーマに世界77カ国、民間企業団体が多数参加し、半年間の期間中の入場者は、何と…6421万人!!?ゲー!今の日本の人口の半分以上じゃない!(朗読)これは世界の万国博史上最高記録であり、日本史上最大のイベントと言えるだろう…か、へぇー」
しんのすけ、「流石かーちゃん、古い事よく知ってるね」
みさえ、「違うわよ!書いてあんの本に!会場は広いわ、見る物はあり過ぎるわで、1日じゃとても見きれなかったんだって」
しんのすけ、「ほぅほぅ…何かいっぱい並んでるぞ?」
みさえ、「人気のあるパビリオンは入るのに何時間もかかったらしいわ」
しんのすけ、「おサインしてる!かーちゃん、有吊人だぞー!?」
みさえ、「違うな」
しんのすけ、「お?」
みさえ、「当時はまだ外人さんが珍しくて、一般の観光客やパビリオンのホステスさんにサインをねだるのが流行ったらしいわ」
しんのすけ、「ホステスさん?とーちゃんの好きな?」
みさえ、「そうそう…ってそのホステスさんとは違うの!えっと一般的にはコンパニオンって呼ばれてたみたいね」
みさえ、「あっ、ほら、あの人達よ」
しんのすけ、「おー!オラも好きだぞコンパニョーン!!」
みさえ、「あっ!」
しんのすけ、「ハロータロー岡本タロー?」
コンパニオン、「オー?」
しんのすけ、「オラ、野原しんのすけ、アイラブユー熱海の湯ー」
コンパニオンA、「コンイチハ」
コンパニオンB、「ハーイ」
しんのすけ、「コンパニョーンのおねいさん、オラにもサインしてください!(ズボンを下ろす)おパンツに」
コンパニオン、「?」
しんのすけ、「かーちゃん!ペン貸してー!」
コンパニオン、「オー!」
みさえ、「アイムソーリー、ワキゲソーリー、アイム・ビューティフル・ジャパニーズ・ワイフ、プリティー・セクシー・ファイン・センキュー!!!」
コンパニオン、「オー!モーレツ」
しんのすけ、「ところで、オラたち何でバンパクにいるの?」
みさえ、「そりゃパパが来たいって言うから」
しんのすけ、「で?とーちゃんはどこ?」
みさえ、「もう来る頃だと思うけど」
(ピンポンパンポーン♪)
しんのすけ、「お?」
アナウンス、「御来場の皆さまへ、お知らせします、ただ今、当会場に、怪獣が接近中です、お客様は、全員、速やかに、会場の外へ、非難してください、繰り返し、お知らせします、ただ今、当会場に、怪獣が接近中です、お客様は、全員、速やかに、会場の外へ、非難してください―――」
(怪獣が現れる)
みさえ、「しんのすけ、ひま!私達の出番よ!」
しんのすけ、「ブッラジャー!」
ひまわり、「たいやいやー!」
みさえ&しんのすけ、「万博防衛隊、参上!!」
ひまわり、「あきゃー!」
(通信が入る)
ひろし、「こちらひろし、怪獣は現在日本庭園からソ連館に向かっている、直ちに急行して迎撃せよ!俺もすぐに行く!」
みさえ、「よーし、行くわよしんのすけ!」
しんのすけ、「おっしゃー!」
みさえ、「それー!」
【クレヨンしんちゃん・嵐を呼ぶ・モーレツ!オトナ帝国の逆襲】
<オープニング>
女性、「いやー!めっちゃ怖いー!」
男、「アカン死ぬー!!」
しんのすけ、「どいたどいたー!怪獣より凶暴なみさえだよー!怪我するよー!」
みさえ、「怪我したいんかオンドリャー!!」
コンパニオン、「キャー!」
しんのすけ、「オーッ!コンパニョーン!!」
(コンパニオンが走り過ぎるとしんのすけが消えてみさえ急停止、後ろを振り向く)
しんのすけ、「(鼻の下を伸ばしながら)キャー、キャー」
みさえ、「あのおバカ!…任務が先!オラー!!」
しんのすけ、「だったっ…お?」
(怪獣の目の前に着く)
みさえ、「デカイ…」
しんのすけ、「デカイ!…みさえのケツ」
みさえ、「クッ…!どこ見てんだ!!」
しんのすけ、「お?」
ひろし、「人類の進歩と調和の祭典を脅かす怪獣め!くらえ!!」
みさえ、「しんのすけ!私達も攻撃開始よ!」
しんのすけ、「ほい!」
(怪獣がみさえ達に火を吹く)
みさえ、「うわぁー!!!」
(怪獣がソ連館を破壊する)
みさえ、「ひゃー!」
ひろし、「あぁー!ソ連館が崩壊したー!!」
(みさえ達が必死に攻撃するが、進行を止められず、怪獣は尚も破壊を続けながら進撃する)
しんのすけ、「おぉーココにも怪獣発見!」
みさえ、「ん?(ガイドブックを読む)えーっと…違うわよ、あれはガスパビリオン」
しんのすけ、「ガス?」
みさえ、「んでもってあれがアメリカ館ね、月の石があったんだって」
しんのすけ、「おぉー何か東京ドームみたい」
(そのアメリカ館を怪獣は進撃し破壊し破壊した)
ひろし、「あぁー!!!月の石がぁ!!俺まだ見てないのにー!!うぅおのれぇ…!もう許さーん!!!」
(ひろしは怪獣に怒りの弾雨を浴びせる)
ひろし、「ウォーッ!!」
(ひろしはそのまま突破しようとしたが、振り向きざまに羽根を搊傷した)
しんのすけ、「とーちゃん!」
みさえ、「あなた!」
ひろし、「くっそぉぉ…!ふん!」
(墜落した戦闘機の中から光が飛ぶ)
しんのすけ、「あぁ…!」
ひろし、「ジュワッ!!」
みさえ、「あ!ひろしSUNだ!ひろしSUNが来てくれたわ!」
しんのすけ、「ただのとーちゃんだぞ」
ひまわり、「あゃー」
みさえ、「違うわよ、ひろしSUNのサンは英語の太陽、宇宙からやって来た無敵のヒーローじゃない?」
しんのすけ&ひまわり「ほぉ…」
みさえ、「頼むわよーひろしSUN!怪獣をやっつけてー」
ひろし、「(戦闘声)てやっ!あぁ…うわっ!」
(一進一退の攻防をするひろしと怪獣)
みさえ、「ひゃ!」
しんのすけ、「んんんんん…!とーちゃんばっかりズルい!オラにもやらせろー!!」
ひろし、「あっ!」
しんのすけ、「このこの怪獣め!オラと勝負しろ!!」
ひろし、「おいしんのすけやめろ…すいません、ちょっとカット」
監督、「カーット!興奮しちゃったのかな?」
ひろし、「ダメじゃねェか出て来ちゃ」
しんのすけ、「とーちゃんオラに任せろ!」
怪獣役、「えぇっ…強いなぁボク」
ひろし、「すみません」
みさえ、「ホラいらっしゃい…すいませんどうも」
監督、「はい、よーい…スタート!」
ひろし、「(戦闘声)はぁ!でぁ!でぁ!であ!(押し返される)うわ!(尻尾で叩きつけられる)うっ!ぐっ!ぐあっ!(太陽エネルギーが減少する)ぐっ!ぐっ!…むっ!はっ!(尻尾を掴んで引きずり倒し跳躍)でぁ!」
(太陽の塔前に着地するも崩れかける)
ひろし、「ぐ…(立ち上がりながら太陽の塔に向けてポーズを取る)はっ!へぃ!でゃ!はっ!」
みさえ、「あ!ひろしSUNが太陽エネルギーをチャージしてるわ!」
ひろし、「はぁぁぁぁぁぁー!!!フン!!」
(チャージした状態で怪獣に立ち向かう)
ひろし、「はっ!ふっ!ふーん!は!!ふっ!(ビームを放つ)」
みさえ、「決まった!エキスポビーム!!」
ひろし、「むん!ぇーい…ハッ!」
みさえ、「すっごーい!壊れた会場も元通りになった!!これで万博は無事続けられるわ!ありがとう!ひろしSUN!万博を守ってくれて!」
ひろし、「へぁっ!!」
(飛んで行った所で撮影が終了する)
監督、「はい!OKです!お疲れさまでした!」
スタッフ、「どうもお疲れさまでした」
ひろし、「おつかれさまでーす」
監督、「完成品のビデオは、出来あがり次第お送りします」
ひろし、「はい、お願いします」
スタッフ、「これ、記念にどうぞ?」
ひろし、「あっははは!ありがとうございます!フッフフッフフッフフーン♪ヘヘッ!もらっちゃったー!あ?」
みさえ、「あー!恥ずかしかった!」
ひろし、「え、そう?良かったぜみさえ」
しんのすけ、「とーちゃんばっか目立ってずるいぞ!正義のヒーローってのは普通顔を隠してるんだぞ!?」
ひまわり、「あいや」
ひろし、「だって顔を隠したら俺がやってるって分かんねェじゃん」
みさえ、「さ、次は私の番ね、皆着替えて」
しんのすけ&ひろし&ひまわり、「えー?」
みさえ、「えーって何えーって?約束でしょ?」
ひろし、「そうだったね」
(魔法少女みさりんに舞台が変わる)
ひろし、「うーん、ならばどうあっても人間界へ行くと言うのだな?」
みさえ、「はい、お父様、みさえは人間界へ行って、人間達と友達になりたいのです」
ひろし、「お前が行くと、幼い弟と妹が悲しむぞ?」
みさえ、「悲しまないで?幼い弟と妹よ、私は魔法界と人間界を繋ぐ懸け橋になりたいの」
ひろし&しんのすけ、「(笑い声)クッ、クッ…ワハハハハハ!!!アッハハハハハ!!!!イヒヒ…」
みさえ、「すみませーんちょっとカットー」
監督、「わかりました」
みさえ、「…(睨む)くっ!」
ひろし、「ゲッ!(気を取り直し)さっ、続きいってみようか」
しんのすけ、「ん?」
(ブースから出る野原一家)
みさえ、「今度はベルバラみたいなのが良いな」
ひろし、「きっと高いぜ?」
女性館員、「ありがとうございました」
受付員、「こちらがすぐにご用意できる懐かしの番組とストーリーのリストです、お客様のご要望があれば、オリジナルの作品も製作いたします」
母親、「あー!これ懐かしい!」
父親、「ホントだ!」
(子供)
みさえ、「じゃあお願いしますー!」
女性館員、「はい、行ってらっしゃいませ」
ひろし、「じゃな、大人しくしてろよ」
みさえ、「じゃっねー!」
しんのすけ、「よっ!」
ひまわり、「たっ!」
仲良し一同、「あー!」
しんのすけ、「やぁやぁ皆さんお揃いで何事ですかな?」
風間、「みんなお前んとこと一緒だよ」
ネネ、「最近よく会うわね」
(しんのすけが風間のドリンクを勝手に飲む)
風間、「あー!それ僕の!タダなんだから、自分で持ってくりゃ良いだろ!?」
しんのすけ、「風間君のが飲みたかったの」
風間、「でぇえええ!?(気持ち悪がる)」
しんのすけ、「ココは良いよねーおやつは食べ放題だしー、ゴロゴロし放題だしー(ジュースを喉奥に噴射する)あー」
ひまわり、「のんたらよーれ」
しんのすけ、「ほれっ」
ひまわり、「あー」
風間、「相変わらず呑気だなー…(小声)ねぇ、この20世紀博が出来てから、大人達変じゃない?いくら子供の頃が懐かしいからって、あのハマり方は普通じゃないよ」
ネネ、「そうね、確かに普通じゃないかも」
マサオ、「うちのママ、この前一人で着せ替え人形で遊んでたよ?」
風間、「だろ?うちのママも時々子供みたいな事言うんだ、ママ達だけじゃなくて、先生達もここにハマってるみたいだし…懐かしいって、そんなに良いものなのかな?」
マサオ、「さぁ?」
ネネ、「やっぱり、大人にならないと判らないんじゃない?」
ボーちゃん、「ボー」
しんのすけ、「心配すんな風間君もそのうち分かるから」
風間、「そのうちじゃ遅いんだよ!…このままじゃママがママで無くなっちゃう様な気がするんだ」